「繰り返し」「かゆいところに手が届く分かりやすい言葉」

シンガポール在住 主婦 吉田美和子さん(30代)
フランス語を勉強しようと思ったきっかけ

私の場合、もともと語学好きというわけでなく、どちらかと言うと記憶力が悪いせいか、学生時代、初めて見る単語が一杯の英文を読んでいるだけで、気がつくと机が目の前に迫っているという口でした。語学力の向上には「ペーパーブックをともかく1冊読破することだよ」と誰かに言われ、一念奮起して、分厚い洋書を購入したものの、著者がお世話になった方への謝辞のページまでで力尽き、その後2度とページが開かれることなく、本棚の肥やしとなっていくということを休暇ごとに繰り返していたような気がいたします。
そんな私がなぜ今頃この「松平式フランス語のおぼえ方」を手に取ったかということについて、少々教材を使ってみて感じたことと併せてお話したいと思います。
思い返してみると、もの心ついたころから、何とはなしにデパートでいいなーと思うお洋服や、おいしそうー!と思うお菓子等は、たいていフランス製だったり、フランスのデザインのものを日本で作っていたりするということがあったような気がします。といっても、子供のことなので、私が当時印象にのこっているフランスのイメージとしては、パリジャン好みのシックさというよりは、フレンチカンカンチックなワイワイとしたお祭りのような楽しいイメージ。それと何故か美味しい生クリームたっぷりのモンブラン(栗のケーキです)という、なんとも幼稚なものでした。やがて、少し年齢を重ねるにつれて、もともと印象派の絵画が好きなこともあり、モネの絵に描かれているような彼の庭園に是非行ってみたい、いつか本物を現地で見てみたいなーと思うようになりました。

何でこんなややこしいルールを作ったの?

しかし、大学で第二外国語の時間にドイツ語に触れる機会があったものの、名詞に女性名詞、男性名詞等があるなんて、スムーズにコミュニケーションをすることだけを考えれば、面倒なだけの文法。さらに形容詞も定冠詞もそれにより変化するという、頭の中で言おうとしていることを、それぞれの箇所をスロットマシーンで回転させながら文章を作り上げていくという感覚。そんなこんなで、授業で映画をみても、そればかり気になってなんともめんどくさい気分になってしまいました。 一体こんなに色んなところに緊張しながら配慮して喋るなんて、ボケ予防にはいいかもしれないけど、冗談じゃない、いやー日本人で良かったなどと思っていました。自ら進んでややこしくするようなルールを作って何の得があるんだろう?日本でもインテリを気取る人の文章ってなんだかまだるっこしくてイライラするのと同じで。お馬鹿さんには分からないから、「私達特別で、インテリなんざます。」と言う差別化のためにあるの?といったような、まるで被害妄想のような状態にテスト前は特になっていました。

ベルバラに憧れてフランス語を選択した友人

それと同時に、なんだか今まで苦労していた英語が、妙に簡単に思えるという錯覚に陥りました。しかし、ローマ字の棒読みでも何とかそれっぽく聞こえるドイツ語とは違い(と思っているのは私だけ?)、フランス語では何やらさらに色々活用したり、発音しない語尾があったり、ローマ字表記とは違う読みが多数存在するらしいと、ベル薔薇に憧れてフランス語を選択してしまった友人が苦悩するのを目の当たりにした経験がありました。私にも憧れはあったものの、あっさりフランス語取得という野望はセーヌ川に流した気分でおりました。

フランス人が親友になる

ところが、そんな私に転機が訪れたのが、それからウン十年後でした。夫の赴任で、異国の地であるシンガポールに赴くこととなり、知り合いも友達もいない、言葉も通じないという、なんだか急に根無し草になったような心もとない気持ちで毎日過ごしておりました。
友達も知り合いもいないということで、閉じこもりがちだった私に、もう年だから、いまさらねじり鉢巻で勉強しなくてもいいので、ともかくおしゃべりに行って来いと主人に薦められ、英語学校の門を叩くこととなったのです。女学生と名乗るのはさすがに気恥ずかしかったですが、久しぶりの学校生活に、どきどきしながら通いました。そこで後に親友となるモニカというフランス人に出会ったのです。それから1年ほど、同じクラスで少しずつ学ぶにつれて、たどたどしいながらお互いに英語でコミュニケーションをとり、互いの家を家族で訪問しあう間柄になりました。
学校での授業よりも、放課後、友達とランチを取りながら、ともかく言いたことをガンガン喋りあったことを通じて覚えた表現や単語のほうが、後で振り返って身についたような気がします。スクールメイトということで間違いも気にせず使いながら。
実際は、本当に英語が出来る方々にとっては、支離滅裂に単語を発するだけでなく実際は文法もあれれ?な人間達が寄り集まって騒いでいるというのは、ちょっと不思議な情景に見えたかもしれません。お互いに異国の地で、何とか自分達の言いたいことを伝えたいという一途さがありました。
長く一緒にいるために、例え適切な単語や文章を使っていなくても、以心伝心な部分でお互いの言いたいころを助け合って理解しあおうとしていました。そういったことを通じて、少しずつ正しい表現や言葉が身についてくるという、そんな体験だったと思います。
そんな体験もしていたので、松平先生が“きれいなフランス語の発音を習得することは難しいものの、発音や文法が出来ないからという理由で、出来るようになるまで喋らないというのは、本当にその言語を習得することからの逃げ口述である”と厳しいながらも断言されていることに、背筋が伸びるような気持ちになりました。また、実際そうだな~と深く共感します。
それと英語からフランス語になったり、フランス語から英語になった言葉があると記述がありました。語彙の習得という意味で、当初私よりはるかにおぼつかない英語を操っていたモニカが、クラスが上がるにつれ、めきめきと語彙力をアップさせていることを、一応真面目に授業だけは出ていた私は当時不思議に思っていました。
でも、松平先生のお話を聞いてなんだか納得がいきました。しかしながら、政治や経済、社会問題といったやや真面目で高尚なトピックについては語彙的にも表現の面でもまだちょっと不自由を感じるものの、お陰さまで一応日常会話についてはなんとかなっているかな(本当のところはどうなのかは大いなる疑問ですが。笑)と自分的には思えるようになってきました。そうすると以前は気づかなかった感覚を言葉について感じるようになったのです。

私の気持ちをダイレクトに伝えたい

日本にいた時、関西弁で喋っている時と、標準語で喋っている時とで微妙に自分のキャラクターもちょっと違うような感覚を持ったことがあります。具体的に言うと、標準語で「だめですよ」「いいでしょうか」「~して下さい」などという時と、「あかんやんか~」「やめてんかー」「ええやろ~」「~してってんか~」と言う時では、もともと関西にいたせいだからか、関西弁の時のほうが相手との距離が近い感じがしたり、喋っている自分が自らの心の底から感じていることを伝えている感じを持ったのです。異国の地だからこそ、母国語を聞くと同じ言葉でも感じ方が違うことに改めて気づいたのかもしれません。
「言霊」とはよく言ったものです。その後私もモニカもお互いに子供を授かり、今まで以上に料理のレシピの交換したり相談をしたりするようになりました。日本流、フランス流そして、現地シンガポールでの育児の愚痴を言い合うような間柄となりました。長期のバカンスで彼女が帰国中のうちに、「松平式フランス語のおぼえ方」でフランス語を学んで少しでも彼女の母国語であるフランス語を喋れるようになれたらと思いました。それができると、お互いにとって借り物である英語という何かワン・クッションあるような感覚ではなく、彼女の心にダイレクト私の気持ちが伝わるような気がしたからです。そんな思いから、語学音痴な私がフランス語習得にチャレンジしよう、と決意したわけです。子育てしながらなので、なかなか思うように進まなくてもしょうがないと割り切って取り組めればと思いながら。

サバイバル本は使えないな〜

初心者向けの語学教材は、大きく分けて2つあると思います。まず旅行等での困った時などにとりあえずブックレットを見せるだけでなんとかなる「サバイバル」を目的としたもの。
具体的には「○○へいきたいのですが?」「これはいくらですか?」等という例文集、また「数字」、「食べ物」「病気」等に関する単語集といったもので構成されるものです。これは丸暗記系といってもいいかもしれませんね。
もう一つは、厳密にいうといわゆる語学オタク向け、というか、大学の第二外国語でフランス語を取ったりした場合に使用されるような、正しいフランス語とフランス語の構造を正しく伝え理解することを目指した文法重視のもの。いわゆるアカデミックなお勉強系といっていいかもしれません。
当初手っ取り早く使える単語と例文が知りたい、しかもお勉強は大嫌いという私向けには、前述の丸暗記系しかないと、本屋に行って、楽しいイラスト入りのもの(しかも文字が少なかった)をみつけたものの、家に帰って落ち着いて開いてみると、挨拶や数字については、モニカとの話で使えるかもしれないと思ったのですが、子供も小さいことから、予想以上にページを開くことができません。いつも子供が寝静まってからテキストを開いていました。そうすると、かえって絵や単語だけのテキストはつまらなく、2・3回読んだ(正確には見た)後は、子供の絵本の横にお蔵入りとなりました。
また、モニカからは「ねえ、ご主人が長期休暇がとれたら、一度私の実家に遊びに来てね」と、ことあるごとに誘っていただいているのに、フランスの企業と企業文化が違う主人の企業では、なかなか長期休暇をとるのも難しいのです。 ちょっと長いお休みが取れそうなときは、やはり私の実家等に孫の顔見せに行かないといけないので、実際旅行でフランスに行くのはまだまだ先かな~とも思っていました。そうすると旅行で使うサバイバルな例文より、もっと日常生活に関わるような単語や例文が多く載っているものでないとあんまり使えないな~とも感じました。
でも、ちょっとした時に使える世界共通のトピックでもあり、主婦の井戸端会議でもよくトピックになる「食べ物」に関わる話題などに関して、サバイバル本はイラストと単語などは書いてあるものの、それを見ただけで、記憶力の悪いわたしが、覚えて会話に望むこと等できるはずがありませんでした。「友達との会話を通じてフランス語を習得するぞ!」というモティベーションの方ならそういう本を持参して会話でもすれば、役に立つかと思います。
しかし、私達の場合、勝手に歩き回ったり、スプーンを投げるは、髪の毛にご飯を塗りつけたりするはという、やりたい放題の子供達を連れてのガス抜きのために会っているわけで、とてもではありませんが、そんな本を机の上にすら置けない状態です。それに良く考えたら、実際にフランス人に会って喋るわけですから、英語での会話の中で出てくる言葉は音だけでしたら彼女にその場で聞けばいいわけで、なにも前もって勉強しておかなくても何とかなることに気づきました。そうなると、私が欲しい教科書と言うのは、基本的なフランス語の発音についてと、文法について詳しく書いてある、私が途中で途中挫折しない(飽きない、あきらめない)教科書でした。

「繰り返し」「かゆいところに手が届く」

それでは「松平式フランス語のおぼえ方」を使ってみた感想を書いてみたいと思います。
よく市販されている教材との大きな違いを一言で言うなら、「繰り返し」「かゆいところに手の届く分かりやすいお言葉」だと思います。この繰り返しの例としては、例えばフランス語の発音についての章では、解説の中で、二重母音や三重母音の説明の後、次の単語を発音してください、というミニテストだけでなく、他の章でもクイズ形式で「読ませるというよりは、その場で考えさせる」手法が頻繁にあることです。それだけではなく、別の文法の解説の中でも、出てきた単語について以前説明した二重母音だからこのような発音になる、とか繰り返し扱ってくれるというのが私にはよかったです。 先生の言葉に私としては「なんかもう気をつかってもらっちゃってすみません、先生。分からなくなったらまたよろしくお願いします。」という感じで勉強を続けることができました。さらに、このテキストの面白いところは、語学音痴なわたしですら、中学校から大学を出るまでの10年間かじったことのある「英語を持ち出したり、それらとの比較で説明」しているところです。
だから、「これはこのように言います。書きます」とただ書いてある参考書より、なんだかんだ言って、学生時代、特に一応人生で一番記憶力があると思われる10代のころに、それなりの時間を費やした「英語」を例に説明されると、「読んで頭に記憶されやすい」のです。
他の本で「フランス語では動詞はこのように活用するので覚えておけ!」とでも言わんばかりの説明と活用表を提示されると、それを読んだだけで、「さようなら~」と思ってしまうものです。この教材では、フランス語独特の表記が一つ出てくるだけでも、実に丁寧な説明があり、しかも語り口調なので、「へえー、あーそう」ととりあえず話を聞いてみようかなという気にさせるのです。
例えば「Ç」のセディーユのところの発音についても丁寧な説明がありました。私のような、ちょっとでも余分なことを覚えたくない(覚えられない)人間にとっては、一瞬なんで本来「カ行」の音なのに「サ行」で発音しなきゃいけないの?と突っ込みたくなってしまいますが、これほど丁寧かつ語り口調で説明されると、「しょうがないわね。じゃあ覚えておくわ。」という気に素直になってしまうから不思議です。語学の苦手な人間にとって、知らない記号が出てくるという時点で、かなり気力が減退するものだと思います。
冒頭で「語学習得についていいわけ無用、逃げるな」と先生は厳しく鞭打っているのに、いざ学習の内容になると、フランス語ででてくるスペルの紹介をするにも、これほど紙幅を割いている参考書はないのではないかと思います。
また、単語についても、英語やドイツ語等との単純な比較や例示だけでなく、世界史で習ったことあったような記憶、例えばバイキングの勢力が伸びた時に海に関する言語が、交易を通じフランス語の中にも増えていったことや、肉に関わる英語とフランス語が同じなのは肉を食べる上流階級の言葉が残った結果云々、「へーなるほど…。」と思わせる雑学で、これと併せて「何気に単語が頭にインプットされる」という手法は他の参考書ではちょっと見られないのではないでしょうか?
それだけでなく、「コラム」という形で英語やフランス語が完成するまでの生い立ちについて、ヨーロッパで繰り広げられてきた壮大な国取り合戦の歴史大スペクタクルな話にまで触れ説明されています。フランス語習得について、一見不要な記述と思えるそのようなエピソードですが、実際に学習の部分に入っていくと、ますます英語との絡みで単語が覚えられそうな気がしてくるから不思議です。
他の例を挙げると、ゲルマン民族の使用していた「old」とフランク民族が使用していた「ancient」が両方英語になって今日まで使われてきていること等、に連綿とした歴史の一端を感じてしまい、ちょっと感動すらしました。

語彙や発言も

また、具体的に語彙を増やすページとして、「語彙を増やそう」という章があり、その中でも具体的に「日本語になっているフランス語」「英語を使った語彙の増やし方」等にもふれられています。身近な食べ物に関る外来語=英語と思っていたのに、意外にフランスからの言葉もあるのだな~と感じました。さらに先生がこの勉強を通じて、外来語の由来まで知ることが出来る、とおっしゃっているのには、全く同感で、もっと日本語の勉強もしないと、異国の地で日本語を子供に伝えていく義務のある私としては別の意味でも背筋がピンとする言葉でした。
でも、このように語彙の増やし方や簡単に覚える方法をいろいろ伝授して頂くものの、「しかし読んで理解することと話すことは全く別次元の話です。単語が増えても、基本会話の練習をしつこく行う。このことを約束できる方は、次の単語リストで単語を増やして下さい。」という辛口の注意も忘れないところが、「何だ楽勝じゃん」とお気楽モードになりそうになる私に渇を入れていただくようで、「痛、気持ちいい」感じでページを読み進めることができました。
さらに、スモールステップでの内容の定着というだけでなく、ざっと説明しておきながら、後で何回も繰り返し触れられているので、あれ?と疑問に思ったら時に絶妙タイミングで「前回の○○で説明したように語尾にくる子音は読まない云々」等「そう言えば、こう言ってくれるのってもう4回目かも…。そうそう、そうでした。いやはや」という感じでテキストを読み進めていけました。ですから「これを今覚えないなら、フランス語の学習は無理無理」という圧力を極力排除するような心配りが感じられる点が他の参考書とは全く違います。特に、トータルでかなりの紙幅を削って解説しているフランス独特発音についても、具体例を挙げて説明されています。
例えば、hôtelという言葉、フランス語としては「オテル」と発音するらしいですが、これについてはこんな記述があります。「英語の「hotel」にそっくりのスペルですが、「h」を発音していないですね。このようにフランス語では「h」の音を基本的には読まないという大切な規則が…」といった感じで続いていきます。
普通の文法の本の書き方だと、「フランス語では「h」は発音しない。だからhôtelはオテルと読む。」だけだと思うのですが、上記のような話し言葉でゆっくり解説してくれると、読みながら「そういえば、英語学校で習い始めた当初、モニカが会うたびに「アロー」と言ってくるので“なぜ?”と思っていたけれど、その理由はこれだったんだ!」等と自分の経験と合わせて納得する余裕があり、フランス語の教科書というより、雑学集でも読んでいる感覚に時折なりました。それから、その時出た言葉があとあと何度も出てきたりするので、より頭に定着するような気がしました。
そして、ちょっと頑張って読み進み、もう残りは明日と思うぐらいのところに、「コラム」があって、フランス旅行での思いがけない安全対策の実例や、市場での話し、フランスで働いている人が見たフランス人の一面等が楽しくて、「ああー疲れた、もう次の単元行くのちょっとお休み」という気持ちを、リラックスさせてくれるだけでなく、フランス語への興味を持続させるのにも役立った気がします。

人情味のあるテキスト

他のフランス語の教材で、こんな「人情味ある」テキストは見たことありません。この教材、初めてフランス語を学習する語学音痴の人(まあ、普通はフランス語にチャレンジしようとする方は、語学の達人な方が多いと思いますが…)、あるいは仕事等で切羽詰って何が何でもある程度のレベルまではフランス語を学習しないといけないような人、といった「迷える子羊達」にとっては、ぜったい逃がさないよ、という強い意志を感じつつも、あたたかくご指導いただける稀有な教材だと思います。
また、実は私のようなフランス語の初学者に対して上述のような配慮があるだけでなく、フランス語検定や第二外国語でフランス語を勉強されている方向けの記述がそこ、ここにあります。ですから、テストを受ける場合でもめくらめっぽう暗記や復習をするのではなく、ポイントを絞った受験勉強ができると思います。
さらに、難関な文法である時制の説明の中でも「熟語による過去の代用」、「熟語による未来の代用」等複雑な活用を避けて行える、逃げの手段も提示されていたり、少しでも覚えることを少なくしたい私のような怠けものだけでなく、もうすぐ旅行に行くので余り学習に時間がない旅行者などにはなんともありがたい内容だと思います。

フランス人の友人モニカの反応

語学音痴で、記憶力もほかの人より数段悪い私が、「松平式フランス語のおぼえ方」でフランス語にチャレンジするきっかけを作ってくれたモニカですが、現在はイタリア人のご主人とお子さんで長期休暇のため帰国しています。
久しぶりの帰国で、お友達や親戚と旧交をあたためてようで、毎週のように楽しい写真や手紙をメールしてくれます。スカイプでチャットできればこの教材で学んだフランス語が音的にイケているのかが分かるのですが、ちょっと時差がありすぎて、お互いに子育て中の身としては、今のところe-mailでのやり取りだけなので、私のフランス語が音的に通じるのかどうかはまだ分かりません。
しかし、学び始めて3日目にテキストで学んだ挨拶の言葉を、スペルを間違えないように冷や冷やしながらタイプし、念のため英語でも書いてみたところ、たったそれだけでも、次のメールで「えー、どうしたの。フランス語が書いてあったけど? 嬉しかったわ。」というメールが来ました。当初、習ったことを「習うより慣れよ」のつもりで、とりあえず使ってみただけなのに、彼女の反応はとても早くて嬉しそうでした。
たとえ何ヶ国語も喋れたとしても、やっぱり感覚的に自分に近い母国語(方言も同じことが言えるかもしれませんが)のほうが、コミュニケーションの手段として、ツールとして使っている英語で言われるより、体感的にぐっと来るというのは、私だけじゃなくて彼女も一緒なんだと、なんだか嬉しくなりました。ということで、私のフランス語習得の当初の野望を満足させてくれたようで、(と言っても、書いてあるセンテンスを丸ごと引用しただけですが…)ちょっとやる気になってきました。(笑)
その後、テキストにあるとおり、日本語の「すみません」と言う言葉と同じぐらい、いろんな場面で活用できると知ったS’il vous plaît! (お願いします)をシンガポールのフレンチ料理屋で、フレンチと思われる店員さんに使ったところ、本当はローカルスタッフが私のテーブルを担当していたようですが、フレンチの彼自らが要所要所でいろいろサポートしてくれました。 しかも、会話のなかで、gâteaux(お菓子、ケーキ)やfromage(フロマージュ、チーズ)、menu(ムニュ、セットメニュー)等という単語が思いがけず口から出てきたのには自分でもびっくりでした。お蔭様で、ちゃんとサーブされている感じも堪能しつつお料理も満喫できました。(ちなみにシンガポール人の通常のサービスレベルは残念なことに良いとは言えず、あの~私お客様なんですけど…と言うことが多々あります。涙)初のたった一言で、このようにサービスが変るというのもどうかとも思いますが、とりあえずなんだか通じたと言うことで一人悦に入っております。それで話は変わりますが、一つ思い出したエピソードがあります。蛇足ではありますが、こんなこともあった、という思い出話を書いてみます。

マキシムでの怒!体験

実はウン年前に、新婚旅行でフランスに立ち寄ることがあったのですが(メインはイタリアでした)、その時にパリのマキシムに行きました。そこで、どう見てもこちらはフランス語ができなさそうな日本人であるにもかかわらず、フランス語でかかれたメニューをいきなり出されました。 「英語のメニューをお願いします」と頼んだものの、「私どものウエーターは全員英語も喋れますので、ウエーターに問い合わせていただければご対応できます。」などと蔑むような視線で言われたのです。(何でいちいち、今日のお薦めのメインは何ですか?とかメイン1は材料が何で、どんな調理法で、付け合せは何ですか、メイン2は?2は?コース料理はありますか? コースの中身は?等、永遠と口頭で質問しなくてはいけないのでしょうか?そもそも記憶力が悪い私は、一度に一杯言われたら覚え切れません!そして何度も尋ねたら、きっと怒るでしょうウエーターさん?私もイライラです!一体何のためにフランスまで来て高級フレンチを食べにきたのでしょう?怒)
フランスに行かれたことのある皆さんには、一度くらいは同じような経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか?そんなわけで、当時はモネには未練があるものの、フランスなんか二度と来るか!という思いになったことを思い出しました。(今ではよい思い出!?です)

最後に

フランス語の発音は難しいですが、教材に書いてある実際の音に近づけるためのカタカナや、先生のひらがなを駆使した発声説明を読んでいます。それに従って言葉をだしてみると、なんだかちゃんと発音出来ているような錯覚に陥ります。(笑)具体的に今度彼女(モニカ)にあったらどれぐらいイケているか聞いてみますね。

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