始めてフランス語に触れたのはカナダのケベック州モントリオールにワーキングホリデーに行った時でした。
ケベック州はカナダでもフランス語圏ですが、カナダという土地から英語も話せる人が多かったので、最初はそれほどフランス語に不安を感じることはありませんでした。
けれど、滞在日数が増えるにつれ、周りの友達はフランス語学校に通いだしてフランス語が序々に話せる状態になっているのに焦りを感じ、自分もフランス語が話せるようになりたい!と思いましたが、語学学校に行く費用はなく、わざわざ教材 (カナダでは英語⇔フランス語だったのもあって)を買って勉強するまではいきませんでした。
友人から見せてもらったテキストには男性・女性によって言い方が変わったり、テキストを見ても、Cの下にひげがついたり、三角屋根みたいな文字がIの上にあったり、なんだか記号を読んでいるみたいで。
テキストで地味に勉強しているより、今自分はフランス語(モントリオールではケベコワ語と言われています)を肌で体験できるから、街へ無料で授業受けよーっと!と意気込んで出てはみたものの、あの独特な発音。
発音しないのに単語にすると現れる文字もでてきて…と、そもそも単語の勉強すらしていないのでわかるはずもなく、ただ勘となんとなくそうだろうといった感じで過ごしていました。
それでも!と思い、フランス語で話しかけてみたくても、たいしたことは言えず結局断念。結局、英語も通じるならいいやとフランス語を勉強するのを断念。かたくなに英語一筋で貫いていました。
カナダから日本に帰国してしばらく経った時、フランスへ旅行に行く機会があり、パリへ旅行に出かけることに。初めてのフランス・パリだけども選んだツアーは添乗員がいない個人フリー滞在、もちろん日程も自由行動。
家族の誰一人過去にパリへ訪れた者は居ない状況でのこの行動にはびっくりするかもしれないけれど、他の海外へは何回も行っているから!という旅慣れた感覚でした。もちろん全員フランス語は話せませんでしたが、それほど不安にも感じていませんでした。というのも、どの観光地も英語が通じたから。よくフランス人は意地でも英語は話さないと聞いていたけど、パリは世界中の人が集まるからそんなことはないだろうという変な自信もあったのも事実です。
当初、ホテルは安いプランを選択したためか、ホテルもパリ中心街から電車で30分以上も離れ、ほぼ終点に近いところでした。幸にも駅から徒歩2-3分でホテルに着き、スーパーもあったので良かったのですが、交通手段はとにかく電車。どこへ行くにも電車を乗り移動していたので、電車自体に不安はありませんでした。ただ、降りる際、自分でドアを開けなければいけないということを知らず、日本のように自動だと勘違いしてボーっと立ててそのままドアは開ないでそのまま出発してしまった経験があります。今では笑い話ですけどね。
何度となく乗り降りして慣れたはずの電車ですが、数日後、電車でハプニングを起こしてしまいました。その日は、「ベルサイユ宮殿を見に行こう!」とガイドブックで調べ、電車で向かったのですが、下車する場所を間違えて、どこか小田舎で途中下車してしまいました。
乗車時間も長かったし、駅の名前も似たような感じだったし、何より停車時間が短いパリの電車ではすぐ駅名を確認してさっさとドアを開かないとすぐ出発してしまうという感覚にいた私たち家族はパッと見た駅名に「ここがベルサイユの駅だ」と勘違いし、そのまま改札口まで出てしまいました。
改札口を出ると、のどかな田舎町の風景、観光客の人というより人自体がまるでいない、どうやら違うみたいということにやっと気づいたものの、既に改札口を出ている私たちは都市部へ戻ろうにも今どこにいるのか、切符の買い方すらさっぱり状態。周りに人はおろか、改札口に座っているおばさん1人きり。とりあえず、家族の中で唯一英語が話せる私が代表しておばさんに話しかけるが、英語がまったく通じず。困り果てて座り込んでいる家族を尻目に、とにかく人が来る度に「英語が話せる人いませんか?」大声を出しながら英語で叫び続けた経験があります。
やっとの思いでサラリーマンらしき男性が助け舟を出してくれて、そこからバスで乗り継いでいけるように教えてくれたおかげでベルサイユ宮殿に着くことができたのです。この経験はさすがに、恥ずかしさとフランス語が出来ない自分に苛立ちを感じたのを今でも覚えています。
初めてのフランス旅行から帰ってきてから、電車でのハプニング事件で自分の語学のできなさに苛立ちとフランス語ちょっとでもかじりたい!と意欲をかきたてていた私は、早速本屋で初心者でもわかるようなフランス語のテキストを探しました。 が、当時発売されていたテキストはどれも文法や発音の絵が描いてあるなど詳しく説明はされているけど、私にはさっぱり理解できず結局、いつもの諦めモードで終了。こどもでもわかるフランス語のテキストを見ると、自分が望んでいる内容までは載っていませんでした。 それなら塾や教室に通おうか!とも思いましたが、決められた時間に出向くことがまず、続かない私なので無理だろうとも感じましたし、学費も高いし、何よりみんなで学んでいってもついていけないだろう、という学校の授業で取り残された過去がよみがえってきたので、こちらは難なく却下。 簡単で楽しく、自分の好きな時間に学べて、実用性があるテキストでフランス語の勉強がしたい!勉強はあまり得意ではない自分でもわかりやすい教材はないものか…、ただそう思い続けていました。
学生時代は授業中といえばお昼寝タイムだった私。もちろん日本語で文法の~詞や~形と説明されてもその勉強さえもしてこなかったからさっぱりわかりません。そんな私でも運よくアメリカに留学することができましたが、勉強はもともと嫌い。だから大学を卒業しても英語は感覚でしか話すことができません。「通じればいいや」っていう考えがあるからかもしれませんが…。そんな私にとって、フランス語はちょっと憧れる言葉です。
英語もろくにできないくせにフランス語まで手を出すのはどうかとも思いますが、モントリオールやフランスで耳にしたあのイントネーションが何かおしゃれ!と感じてしまっているからかもしれません。
それでも今まで通りわかりにくいテキストで勉強するには気がひけました。いつも文法になると萎縮してしまう自分がいて、難しい言葉で書かれていると、途中で諦めてしまっていたからです。それに再度フランスを訪れる機会もなかったので、わざわざ勉強しなくてもいいかって思っていました。
しばらくそんな考えもどこかに行ってしまっている頃、家族で旅行に出かけよう!という話題が出て旅行会社のパンフレットを見ていると、今回の旅行のパンフレットに出会いました。ヨーロッパではフランスが比較的手ごろだったのに加え、あんなにトラブル続きだった前回のパリ旅行が今では笑い話で良い思い出になっていましたし、何よりパリの街をもう一度訪れてみよう!と家族全員が思えて今回の旅行が実現しました。私も個人でお店を開業したので旅行がてら買い付けもできたらという思いでいました。
今回も添乗員なしの個人旅行。プラス今回私だけ買い付けのために家族と離れて行動する日が数日あるので、仕入れの時くらいはちょっとでもフランス語が話せるようになりたいなーと思っていた時に、「松平式フランス語のおぼえ方」に出会いました。前回のリベンジも含めて!というより前回のような恥は二度とかきたくない!!というのが正直な気持ちでした。
教材が届いても初めは「どーせ、いつもの難しい説明で終わりでしょー」といつも通り、疑い半分やる気も半分な感じで読み始めました。けれど、最初の数ページを読んでいて、とにかく説明が感覚的に教えてくれてわかりやすい!ことが第一の感想です。もちろん~詞と文法の説明も出てくるけど、その後に“英語の場合はこう、フランス語ではこれがそうなんだよ。”という具合に“英語ではこう”と説明してくれていたことが良かったと思っています。
感覚的に覚える私にとっては、硬い文章で説明されるより、例えが英語の場合はこんな感じになるんだっていう説明じゃないと拒絶反応を起こしてしまうから。不定冠詞と言われてもさっぱり何のことだかわからないけど、このテキストで言うと、“英語ではaやanの仲間だという風に覚えて”と書かれてあります。こう言ってくれると、「ああ、こういう時はこういう感じに使うのか」といった感じですんなり頭に入ります。それから私の頭の中は「ほぅほぅ、なるほどねぇー」といった具合でページの進み具合も時間を忘れてしまうほどでした。
いざ、テキストで勉強したからといって必ず通じるかは不安な面もありました。過去に英語を勉強して通じなかった時があったから。でも、いざフランスへ行って学んだことを話したら、フランス人も耳を傾けてくれて、親身に聞いてくれる姿を見せてくれたし、自分も学んだフランス語を話すことができました。
フランス人は意地でも英語は話さないと言われていた時代もありましたが、そんなものは固定概念だったに過ぎず(中にはそういう人もいるかもしれませんが)、行く前と帰ってきた後ではフランスに対しての親近感が180度かわりました。フランス人は冷たいとよく言われていますが、実際はそんなことはないんだなぁと実感しました。
実際フランス語を勉強するうえで自分が学びたいのは【とにかく使えるフランス語】でした。フランスへ行って挨拶すらろくにできない。ましてや買い物やレストランでの言葉もまったく知らなかったのでとにかく旅行へ行って必要最低限のことはフランス語で話してみたい!という小さな目標がありました。
松平式のテキストでは挨拶から旅に使えるフランス語のほか、ページが進むにつれ自分で表現する言葉から数字や曜日に関してまでフランス語初級を目指せるようにまとまっていると感じました。挨拶のところでは、誰もが知っている「ボンジュール」から始まり、その歴史から時間にあった挨拶まで説明してありました。
発音もどこにアクセントを置いていいのかがはっきり明確にしてありますし、カタカナで明記されている発音も現地人の発音に近い表記で書いてあったのが良かったと思います。特にフランス語はテキストでは明記されているのに実際は発音しない語がありますから。テキストによってはそういった発音しない語もカタカナで明記してあるものもありますからね。
松平式のテキストでは「きれいな音」と「通じる音」は違うと書いてあります。本当にその通りだと思います。
英語もそうですが、日本で学んでいった英語のテキストは日本語英語の発音だったので実際現地で何の役にも立たなかった経験があります。「通じる音」を学ぶことがやはり大切だと実感しました。このテキストでは発音に加えてその意味も説明しているのが面白いと思いました。
それぞれ違った単語が合わさることによってこの言葉が生まれる。こういった説明文から他の言語ではこんな感じで表現されるなどフランスを初めヨーロッパ各国の言葉や文化の歴史を垣間見ることもできます。
時々コラムが入っているのが次第に楽しみになっていきました。
最初は「フランス語の教材になんだか全然関係ないフランス滞在記入っているでぇー」と?マークたっぷりで飛ばしてテキストを読んでいたのですが、実際自分がフランス旅行へ行く数日前にふとあるときコラムを読んでみたら、住んでみないとわからないフランス事情が書かれてあって興味深く読むようになりました。
コラムを読んで実際こういうことに気をつけよう!とか日本ではあり得ない働きぶりも海外に行くと当たり前になっているんだぁと文化や習慣の違いを知ることができます。ガイドブックではいいことばかり書かれてあって裏事情ってなかなか知りえることができないですからね。
実際、日本でこういったコラムを読むことによって、頭の中を柔軟化させておけば、現地に行ってパニックになったり怒ったりすることもないので、ありがたいコラムだと感じました。
日本で言えば「どーも」のように、ありがとうからちょっとした声かけでよく使う言葉ですが、フランス語でもこれに似た言葉があることがテキストを通じて判明。
旅行に役立つフランス語に限って言えば、ボンジュールひとつで、挨拶から気軽な掛け合い言葉のほか、買い物やレストランでの声かけにも使うことができるとこのテキストから1知恵もらえることができました。
またシル・ヴ・プレに関しては、持ってきて欲しい時や物を見たい時、買いたい時など本当に多くの時に出てくる単語で、しかも実際使える、いや必ず使うのでこれまた良い知恵を入れることが出来たと思います。
こういった言い回しをあえてテキストで紹介しているところも少なく、なかなかその言語を知り尽くしていないと使い勝手がわからないものだけど、勉強の時点で知ることができるとよけいにフランス語への好奇心がアップして勉強に意欲がわきました。これこそが使えるフランス語だと感じました。
この教材の文章を読んでいると、他の教材とは違って“語り口調”なので読みやすいです。テキストを読んでいるのにまるで家庭教師がそばで教えてくれているような、言葉使いと例えもわかりやすいので初心者でも容易に勉強に入っていきやすいと感じました。
また、例題も実際現地に行って1度は必ず使うであろう言葉を厳選しているので、生理的に(脳も体も)拒否反応を起こすことはありませんでした。勉強していくにつれ、ちょっと休憩とりたいなーって思った頃にはコラムのページになり、フランス文化や習慣を実際肌で感じてきた人の体験談を読むことができるので、気分転換にもなりました。
テキストで勉強するまで2ヶ月もなかったのですが、フランス旅行まで、とりあえず一通り勉強しておきました。特に、第一章の意外と通じるフランス語を重点に勉強して、コラムも熟読しておきました。
コラムではフランスの実情が書かれてあるので、実際フランスに行ってギャップに驚くこともなかったですし、パリの市場(マルシェ)事情も書かれてあったので、マルシェと呼ばれる市場へは行く計画を立ててなかったけれども、テキストのコラムに書いてある食べ物がどうしても食べたくて急遽スケジュール変更してマルシェへも行くプランを作成しました。フランスではパリに滞在したのですが、コラムを読む前は、観光客が行っても野菜や魚買ってもしょうがない、マルシェは現地滞在者しか用がないところだと思っていました。
けれどもコラムによって観光客でも楽しめるマルシェがあるとあって実際行ってみたら、日本とは違った販売方法で売っているのを見るのも楽しいし、観光客の私でも食べ歩きできる食べ物を売っているので、現地の人に紛れて買い物したり、併設されているレストランでランチを楽しんだり、ピクニック用のパンを購入して近くの公園で食べたりとプチ現地人体験をしてきました。季節は冬だったのでそそくさと撤収しましたが、日中はそれでも現地?観光客かもしれませんが、芝生の上でくつろぐ人が多かったです。
教材のコラムでは一見フランス語とは何の関係も無い話が載っています。最初は突然話が出てきて?マークがつくかもしれませんが、実際読み始めると、本当のフランスが見えてきます。学校での過し方や、フランス人のお金の使い方、性格、時間に対しての考え方など日本ではあり得ないと思っていることがフランスでは当たり前として馴染んでいたり…。そうかと思えばフランス人の気さくさに心打たれる場面もあったり、コラムの中で紹介されている食べ物やお土産がどうしても気になったり。ガイドブックでは掲載されない実情、裏事情がふんだんに詰まっているので読み応えがあります。そんなコラムを読んだからか、今回は観光地周辺の静かな道も歩いてみました。
ノートルダム寺院の回りにはお土産屋も並んでいますが、橋を越えるとレストランも連なっています。観光地からたった数十メートル離れるとパリの街とはいえ、人の行き来も少なくなりましたが、数多くのお店が並んでいて現地の人とのふれあいが多くもてました。レストランでは、高級そうにみえて萎縮していた私たちですが、日本でも最近では増えてきましたが、フランスのレストランの入口にはメニューが置かれていることがあるので、どのようなメニューがあるか、値段はどうか入る前に確認できるのが安心しました。また、入り口で直立不動で一心不乱にメニューを見ている私たち外国人に対してレストランのスタッフがフランス語で話しかけてくれ、気さくな印象を受けました。
フランスのレストランでは、セットコースがあり、前菜+メイン+デザートでいくらというようなあらかじめ料理内容がセットされています。文字が読めなくてもこのセットを選択すれば必然的にコース料理になったので便利だったけど、カタコトのフランス語でお勧めなど聞いて食べた料理がものすごく美味しく、意外な発見ができたのも良い体験となりました。
店に入るとき、何かしてもらった時など挨拶はかかせませんでした。というより自然に口からボンジュールやボンソワールと挨拶していた自分がいました。日本ではお店のスタッフから必ず挨拶がありますが、海外ではスタッフからはあまり言ってきません。店を出て行く時も同じです。客の私が「ありがとう」って行って、向こうがその返事をするっていうのが常です。
フランスでも同じようです。こちらから気軽に話しかければ、向こうも気軽に挨拶してきてくれますし、そこで商品を手にとっても、終始にこやかで和やかな対応をしてくれます(フランスを含めヨーロッパでは商品を手に取るとき、必ずスタッフに声かけしなければいけないそうですよ)。逆はどうなんだろう…とちょっと意地悪かもしれませんが、何も挨拶しないで店に入ってみました。すると店員はちょっと構える感じの体制になって、商品を手に取ったところ、フランス語で何か注意されてしまいました。そうするとやっぱり嫌な気分になってしまい、結局何も買わずに店を出ました。
挨拶をすることで、向こうも心を開いてくれるものだとつくづく実感しました。そりゃそうですよね、ヨーロッパの人にとっては東洋の人が突然店に入ってきて、何も語らず…不気味ですもんね。
そして今回も電車にまつわるトラブルが起きてしまいました!
今回は某旅行会社が提供する観光地を巡るバス乗り放題のチケットでパリ市内を自由に行動できたのですが、その日は買い付けのために、家族と別れて別行動。
普段通りにバスに乗っていたのですが、何やら本日最終便だったらしく終点となり、エッフェル塔の奥のところで強制的に降ろされてしまったのです。辺りは真っ暗。しかも家族との待ち合わせもあるし、待ち合わせ場所はオペラ座。前日このバスでパリ一週観光をしてたおかげで、なんとなくの地理はわかっていたものの、どう考えてもオペラ座まではかなりの距離。こんなに焦っている状況で、エッフェル塔だけは綺麗に見える!ワー綺麗!!なんて見とれている暇はない!!時刻はもう夜8時目前。
家族との待ち合わせ時間もとっくに過ぎているし、それよりここ何処?!どうやって帰ったらいいのぉ~(涙)!!周りを見渡してもタクシーいないし、、、とかなり不安に陥っていました。ふと下を見下ろすと地下鉄らしき入り口が…。
この日に限って電車のマップも持ってないし、ましてや自分が降りるべき駅の名前も知らない!!どうしよー(大量汗。)でも何とかなるかも!と心臓バクバクさせながら、とにかく地下鉄に入って改札口を探しました。
運よく滞在していたホテルはオペラ座の近くだったので改札に貼ってある路線マップでオペラ駅は確認したものの、今自分が何という名前の駅にいるのかはまったく不明。テキストで覚えた道に迷った時に使う「ウ・エ~」と自分が知っている単語とジェスチャー繋ぎあわせて近くにいた人に聞きやっとの思いで場所を確認したものの今度はチケット購入という第二関門が。
チケット売り場へ行くと、チケットにもいろいろ値段があるようで・・・とりあえず「オペラ、シル・ヴ・プレ」と言ったら通じて値段が表示され、1.60ユーロ払って改札口へ。改札の通り方は、回りの人を見てチケットを通して中へ進むことに成功。
第二関門突破!と意気揚々で乗ることが出来たのですが、そんな安堵もつかの間、第三関門が待ち受けていました。
第三関門は乗り換え。オペラ駅までは1回乗り換えが必要らしく、乗り換えの駅に着いたときどっちの方向に進んだらわからなく、出口へでてしまった。慌ててそこで物売りをしていた男性に聞こうとしていたけど、かなりパニックになっていたので、最初は英語で聞いていました。けれど英語は一切通じない様子。
フランス語でわかんないポーズしながら言っていたので、ハッとしてフランス語で聞き直したところ、何とか通じたのか指で指しながら何やら単語を連発。とりあえず指で指した方向に進んでみたところ、さっき何度も言っていた単語が明記されていた看板を見つけ、こっちだろうと思ったのですが、一本道で先には何も無い様子。本当にこっちであっているの??!!と思い、同じ方向に向かっている人にもう一度聞きました。やっぱりみんな同じ方向を指しながら同じ言葉を連発。言われた通り進んで乗ってオペラ座へ着いた時には本当に助かったーとの思いでいっぱいでした。
今思えば、突然やってきたこの関門、意外とフランス語って頭に入っているもんだなぁって思いました。だってどの人に聞いてもみんなフランス語で返ってきたのに実際理解してその行動に従っていた私がいたから。ホテルの部屋に着いて「自分凄くね?!」と自分に酔いしれながらも、出発前にフランス語勉強しておいて助かったわーと思いました。
3年前の初フランス旅行と今回のフランス旅行で変わったと感じることが1つあります。それは日本語や英語が至るところで通じるようになった、フランス人も外国語に対しての受け入れ体制が変わったということです。
3年前、例えで言えば、3年前にノートルダム寺院を訪れた時、ようこそという看板はあったものの、「ようこそ」という並びでの日本語ではなかったこと。実際写真を撮っておけばよかったのですが、当時はそういったただ日本語(の文字)をぐちゃぐちゃに並べたところが多かったので撮るものでもないと思っていました。今回訪れてみると、日本語のパンフレットが置いてある観光地も多く、駅から日本語で案内看板があるところも。それでもまだ、ディズニーランドには日本語パンフレットは用意されていませんでしたけどね(笑)。けれども、英語が話せる人も日本と一緒で若者のほうが通じる率が高いですし、若者でも話せない人だっています。日本語に至っては、話せる人は未だかつて0%に近い状況なので、やはりフランス語の勉強は必須だと感じました。
ヨーロッパではフランスのパリ郊外にあるディズニーランド。ディズニーマニアでは当たり前のように知られているパリのディズニーランドのお城はオーロラ姫のお城。もちろんお城はピンクでその周りの木の葉っぱは四角にカットされています。
私たちが今回訪れたのはクリスマス前から年末にかけて。日本では稼ぎ時のこの時期でも、キリスト教宗派が多いヨーロッパではクリスマスはどの店も閉店。パリでも営業が許可されている業種以外は閉店しなければいけない法律があるらしい。だからほとんどの店は閉店するとのこと。日曜日も同様らしく、だから年末のヨーロッパは安いのか…とも思いつつとりあえず、今回はもともとディズニーへ行く予定があった家族に急遽あの噂は本当だったんだ!と実感した私はクリスマス当日のパリ観光+買い付けを取りやめディズニーに同行することにしました。
クリスマスでもディズニーは開園していて日本人も沢山訪れていました。けれど、3年前と同じく日本語のパンフレットは未だなし。英語とフランス語のパンフレットを持って園内へ。注文はもう手馴れたフランス語でシル・ヴ・プレを用いて買うことはでき、しかもレストランでランチの予約もできました。日本とは違って同じ人数が並んでいるのになぜか人の循環が早いことに驚き、ファストパスもいらないくらい沢山のアトラクションに乗ることができ、満足しました。しかも、気持ち各アトラクションに乗っている時間が長かったと感じがします、乗っている客にとっては嬉しいかぎりですけどね。パリのディズニーランドでも時間になるとパレードが始まったので見ていたのですが、観光客の人は柵やテーブル、椅子の上に平気で乗っている、スタッフもそれに対して特に注意していないことにもびっくりしました。更には園内でタバコOKだったってこと。パリでは路上喫煙もOKらしいので、園内でもOKみたいですね。これもフランス文化。そう思うと、携帯電話も電車の中でも普通に話していてそのギャップに驚いたものの、ある意味日本がこだわりすぎているっていうか厳しすぎるのかなぁという感想も持ちました。
フランス語に関しては、松平式フランス語で練習したあの例文が、大活躍しました。実際テキストに出会ってからフランス旅行へ出発するまでは2ヶ月もなかったと思います。しかも、仕事もあったので、毎日勉強してたわけでもないですし、旅行中はテキストを日本に置いていったくらいです。そんな短時間での勉強でも、商品購入時やレストランでの注文時、電車でのハプニング、トイレを探す時など、かなりのパーセンテージで役に立ちました。特に「ボンジュール」と「シル・ヴ・プレ」は毎回使っていました。
パリでは有名な蚤の市、ヴアンプでは「君、旅行者?」から始まって「旅行者なのにフランス語できるなんて凄いねー」(←このときは英語でしたが…)って言われてちょっとご機嫌でした♪
要は、松平式のテキストなら実際すぐ使えるフランス語ばかりを中心に説明がなされているから、現地に行ってもそのまま覚えたことを話すだけってことです。もちろん、その意味がどう来たかってふと沸く疑問にも答えてくれているので、言葉の歴史とフランス文化も垣間見ることができるんです。
例えがわかるかわからないけれど、他の教材みたく、難しかったり、皆さんが英語の勉強で最初に覚えた「this is a pen」なんて見りゃわかるだろ!みたいな例文はありません。だからすんなりと頭に入ったのかもしれませんね。
この年齢になって外国語を話して褒められることなんてないし、しかも今回は勉強したてのフランス語で褒められたのはさすがに嬉しかったので、帰国後は相手の言っていることも理解したいなー+フランス語本格的に勉強しよっかなぁー。と考え中です。
これは「トイレはどこですか?」という意味のフランス語。ホテル、レストランを含め、観光地で列に並んで待っている時、もようしたくなりますよね。こういう時って慌ててトイレがあるか見渡すけど、トイレらしきものが一切ない!特にノートルダムでは大ピンチに陥りました。
路上の有料公衆トイレすらあたりにないし、やっとの思いで寺院に入っても、トイレは裏に回らないとないと言われ、長々と並んだ列だったのにも関わらず急いで寺院を出て近くのレストランへ。
レストランへ入るや否やスタッフに「ウ・ソン・レ・トワレット?」と聞いたら地下にあると言う。慌てて地下に行ったら今度はコインがないと開かないシステムに…。しかも、慌てていたので既に入っている人のドアにコインを入れてしまい、なんとか持ち合わせのコインを入れてトイレに入ることができたので、2重にお金を払ってしまったけど用を足せて一安心。このレストランでは私のような人が沢山いるから有料にしたのだろうと感じる。なぜなら、他の観光地のレストランでは有料のところは少なかったから。
私のその様子を見ていた家族は、自分も同じ状況になったら…と不安になったのか、トイレはどこ?のフランス語を必死にメモっていました。それからはデパートでトイレに行きたくなったら自分たちで「ウ・ソン・レ・トワレット?」と聞いて各自トイレにいけるようになりました。トイレは急にもよおしてきますし、我慢もなかなかできないのでこれは覚えておいて正解でした。
私がこの教材を手にしてから出発前や旅行中にフランス語でシミュレーションをしていました。9歳の姪っ子も一緒に旅行に行ったのですが、普段の私のフランス語を聞いていたのでしょうか、食べ物を食べた後突然「トレヴィアン」と言ってみたり、外国人に何かしてもらったら「メルシーボクー」と言ってみたり。しまいには、レストランでメニューを持ってきてもらうようにも言っていました。
そんな姪っ子にも今回ハプニング発生。ルーブル美術館でトイレに行きたくなった姪っ子に変わって私がフランス語でトイレの場所を探そうとすると、「私が自分で聞きたい!」と言い出し、トイレの場所の聞き方を教えて話させてあげました。するとトイレに行きたいことはどうやらスタッフに通じたらしいけど、連れて行かれたのは男子便所…。慌てて止めに入ったのですが、階段の下と上で男女の便所が分かれていて、どうやらスタッフは面倒だったらしくてトイレを教えてくれただけだったみたいです。ちょっとしたハプニングはあったものの、姪っ子もフランス語が通じて満足気でした。
ノートルダム寺院周辺のレストランで食べた料理がものすごく美味しかったのか、はたまたパリやフランス語が好きになったのか、姪っ子はフランスで住むのは嫌(日本が好き)だけど、フランスにはかなり興味を持ってくれたようです。
帰国後の今は調理師になることを夢見て、しかもフランス語にはかなりまっているらしく、ちょっとした場面でフランス語について話したり聞かれたりするので、私にとっても良い刺激になっています。
パリと言えば、カフェでくつろぐ姿をイメージしてしまいがちですが、それも場所によりけり。それにユーロは高いので、ちょっと店でくつろぐだけでも結構な値段しちゃいます。それでも、一度くらいはカフェでくつろぎたい!と思い、家族と離れて別行動をした私は当日買い付けをしようと蚤の市巡りに奮闘。その間にカフェでカプチーノとパンを食べて雰囲気だけでも味わおうと密に企みながらホテルを出発しました。
ガイドブックでも紹介されているヴアンプとクニャンクールの両方を行く予定は立てたものの2つの蚤の市はマップでみてもまるで正反対の方向。しかも両方とも終点or終点に近い駅。駅には自動販売機はあるものの、自販の物でお腹を満腹にするのは味気ない。
座ってくつろぎたいと思っても、蚤の市に行く方面にはお洒落なカフェは見当たらず。もちろん蚤の市では蚤の市らしいスタンドカフェや食べ歩きのものばかり。フランスってカフェないじゃーん!!イメージと違うぞーとちょっとがっくりきていました。
もう足もへとへと、買い付けもどうでもよくなるほど、疲れきって半ベソかきながらヴァンプの蚤の市から駅へ向かって歩いていると、小さなパン屋さん発見!イートインスペースも少ないけどある!これはもう足を休めたい!ただそんな思いで店内に入るとこれまた日本のパン屋さんと全然違う商品がずらり。思わずよだれがでてしまうくらい美味しそうで、サイズも大きくてその上パリ中心街より断然安いケーキとパンを売っていました。小さい店内だけど、ぞくぞくと現地人がフランスパン他様々なパンを買っているなか、1人どれにしようか迷っていました。
自分の番になって注文する番になったのですが、他の人みたくパンの名前までは読めなかったので、テキストで習った「スシ、スラ、シル・ヴ・プレ」と「セ・コンビアン?」を使って買い物成功!しかもお店の人は「ダコール」って言っていて、“あ!これ、テキストでも言っていた!!”という具合でちょっと笑みが浮かんじゃいました。
たっぷり入ったカプチーノに日本の2倍はあるであろうパイで合計5ユーロもしないで食べることができたことに大満足。しかも甘みも抑えてあって日本人の口に合っている!思わず家族へのお土産としてこのパイを買って帰りました。
日本のクリスマスではライトをチカチカ点灯させて、かならずサンタクロースとトナカイがいて…。というイメージでド派手なイメージが多いけれど、パリのクリスマスは上品な印象を受けました。
パリの昔ながらの街並みにマッチするようにしているのかわからないけれど、シャンゼリゼ通りのライトはオレンジがかっていてチカチカはないかわりに雨のしずくが落ちているかのような青色の電灯が上から下に流れ落ちる仕掛けのライトで、しっとりと落ち着いた印象。コンコルド広場からシャンゼリゼ通りを歩く途中には白い小屋で小さなお店が両サイドの歩道を埋め尽くしているので、歩きながら町並みを楽しめるようになっていました。オペラ座付近にあるギャラリーらファイアットというデパート内にも巨大なツリーにプレゼントボックスを吊るしてクリスマスを演出。サンタの格好をして町を練り歩いている人は私はみかけることはできませんでしたが、パリの街並みにフィットしたクリスマスを演出していて楽しめました。
お店の人もロシアから、アジアからやってきた人が多いのか、販売されている商品もお国柄がでているものも多く、フランス語をはじめ英語は通じるのか?!と不安になりましたが、今回目標に上げた「できるだけ、英語を話さずにフランス語を話してみる!」とフランス語を話して、通じたのにもちょっと笑み!フランス人にフランス語が通じるよりも何故か倍嬉しかったんです。お互いしどろもどろのカタコトフランス語に笑いが出る場面もあって、(お互い)頑張ろうぜ!みたいな、笑。そういったコミュニケーションができるのもフランス語を勉強したおかげですね)。
今回の旅行で感じたのは、フランスも外国人受け入れに対して日々勉強しているけれど、私達観光客も、フランスに対して勉強していかなければいけないと感じました。そして何よりも、私達は海外に出向けば、日本代表。相手が自分を通じて日本という国を知ろうとします。日本人+旅行と言えば、カメラ片手にパチパチ写真を撮り、静かにしなければいけないところで大きな声で話し、やたらに土産買いに走る、もちろんフランス語は話せないから話さない。フランス文化や言葉はまったく知らないで帰っていくのもなんだか寂しいですし、そういう姿を見ている現地の人にとっても日本という国がよく映るはずがありません。そういった面でもフランス文化を知らないで、ましてはフランス語を知らないで旅行に行くのはどうなんだろう…とも感じた旅でした。フランス語を多少なりとも勉強して訪れるのは何も知らないで訪れるより何倍も楽しめるし、より詳しく知ってみよう!という気になると感じました。
3年前のあのフランス滞在ってすごく浅かったなぁって。英語を学んだあの留学からは何十年経っていますが、年齢を重ねるにつれて、勉強のありがたみがわかってきます。最初は旅行と仕入れのためのフランス語勉強でした。けれど、実際フランスへ出向いてフランス語を使い、ちょっとでも会話が成立した経験をもってしまっている今は、これから真剣にフランス語を勉強していきたい!気持ちになっています。
松平式のフランス語教材で勉強させていただき、「使えるフランス語」を学べたことに感謝しています。