フランス人の友人も驚いていました

北海道 会社員 坂下利恵さん(33歳)
留学先のカナダではじめてフランス語に触れ

私が初めてフランス語に触れたのは、18歳の時です。留学先のカナダでお世話になった5組のホストファミリーのうち、2組がフランス語を話す家庭だったのです。
もちろん、英語を勉強しに留学していた私とは英語で話してくれましたが、フレンチ・スクールに通う幼いホストシスター同士の会話や親子の会話、または遠くに住む親戚との電話などは、ほとんどがフランス語でした。それを聞くたびに、私もフランス語を話せるようになりたいと強く思うようになりました。
カナダでは、英語とフランス語が公用語として使われており、フランス語を第一公用語として話す州もあるほどですから、スーパーなどで売られている商品や街でみかける標識など、ほとんどすべてのものが英語とフランス語のダブル表記でした。それほど日常生活の中にフランス語がとけこんでいる環境でした。小学校にもフランス語の授業があり、当時学生だった私にとってはフランス語を学ぶのには絶好のチャンスだったわけです。
しかし当時の私は英語を習得するのに精いっぱいで、さらにフランス語まで勉強できるはずもないまま、日本に帰ってきてしまう結果となりました。それでもどうしてもあきらめきれず、その後日本の大学で第二外国語としてフランス語を専攻することを決意したのです。

大学で4年間フランス語の講義を受けるも…

大学では、ネイティブのフランス人の講師からの講義を1週間に3~4回、それを4年間受けました。講義は、会話の授業と文法の授業に分かれており、それぞれテキストも違うもので進んでいく形式でした。
当初、単語も文法もほとんど何も知らなかった私は、まず最初にそれぞれの名詞に性別があることに戸惑いました。単語ひとつ覚えるにも、英語の場合は意味とスペリング、そして発音を暗記するだけなのに、フランス語は性別と、それによってついてくる冠詞(英語でいうthe)も違います。そのうえ、複雑なスペリングからは発音の予測すらつかないため、聞いた先からその前に習ったことを忘れてしまいます。そんな調子で、ものの初めから挫折しそうでした。
また、勉強を始めてすぐの頃に、英語を話す人はフランス語が上達しにくいという噂も耳にしました。確か英語とフランス語の発音や文法が混ざってしまいやすいという理由からだと思うのですが、今考えると、両方に堪能な人はたくさんいますから、そんなはずはないのでしょうけれど。
いずれにしても、それを言い訳にしたりしながらも、フランス語の勉強がスタートしたわけです。もともと文法を勉強するのが苦手で、英語も留学して耳から勉強したような私には、フランス語も聞いていれば覚えることができるだろうと、半ば安易に考えている節があったように思います。しかし、単語もろくに知らず、基礎も全くない状態では何のとっかかりも掴めず、フランス語講師が話すこともちんぷんかんぷんでした。耳から入っても、単語の知識がなければ言葉は拾えません。その単語を覚えることからつまづいてしまった私は、なすすべがないような気がしました。
最初の授業で聞き取れたのは、ボンジュールとマドモアゼルだけで、おそらくそれはその後もずいぶんと長い間、ほとんど変わらなかったように思います。そのフランス人の講師は、日本語もぺらぺらだったので、フランス語だけでなく、日本語でも説明してくださいましたし、どの発音が日本人にはむずかしいか、ということも十分に知っておられる方でした。その人の教え方がまずかったとかでは決してなく、おそらく私自身の考え方が甘かったのだと思います。
そしてどんなことでもそうであるように、一度イヤになってしまうと、それにまたチャレンジする気持ちにはなかなかならないものです。単語も覚えられないし、発音もうまくできないし、何ひとつ満足にできるような気がしませんでした。先生はいい人だったけれど、それ以外は楽しいことが何一つない勉強だった、というのが当時の感想です。結局、試験はいつもギリギリラインの合格点で、満足するような結果も実績も何もないまま、私の大学4年間とフランス語の勉強は終了しました。

フランス人男性と友人になり

ところが社会人になって数年目、偶然フランス人の男性と知り合ったのです。近くの大学院に留学していた人で、年齢も近いことからとてもいい友人になりました。そこで、すっかり忘れたようになっていたフランス語と、フランス語を習っていたという事実を、私自身も思い出すことになったのです。フランス語の他に英語も日本語も話せるその彼とは、いつも日本語まじりの英語で会話をしていました。
ある日ちょっと試してみたくなって、わずかながら覚えているフランス語を使って話してみたところ、驚いたことにちゃんと通じたのです。しかもお世辞とはいえ、さすがフランス人。ちょっと言いすぎなくらいに、ほめてくれたのです。私が覚えているのは、挨拶やちょっとした日常会話程度ですが、何よりも自分の発音がきちんと通じたことが本当に嬉しかったです。
そして、日本に来てまだ1年と少しだったにも関わらず、ほぼパーフェクトな日本語を操るその友人を見ていたら、こんなに母国語が違っても、自分次第でこんなに上手になれるんだと思い、私もフランス語をもう一度学んでみたい思うようになりました。 それ以来その友人に、フランス語を教わることも多くなり、フランス語に対して抱いていた以前のような感情がなくなってきたように思いました。その人との会話が、英語と日本語が6対4くらいの割合だったのが、そのうちの0.5割くらいがフランス語になってきたのと同時に、自分でももう一度きちんと形で勉強をしてみたいと思うようになったのです。

フランス語の勉強をもう一度!でも以前と同じ拒絶反応が…

そこで私は一大決心をして、大学時代に使っていた、というかほとんど頭に入らなかったテキストを引っぱり出してきました。
しかしあれほど決心をして、やる気に満ちていたはずなのに、開いたとたんになぜかやっぱりダメ、見る気持ちにもなれない、以前のような拒絶反応が出てしまったのです。他にも本屋さんに行って、自分で購入したテキストなども何冊か試してみて、やっとその拒否反応の原因が分かってきました。
自分が嫌いなテキストには共通点があったのです。まず最初に、本の中身のほとんどがフランス語で書かれているもの。見る気も起きないというか、逆に自分がこれを全部わかるようになるのか、という疑問までわいてきてしまうのです。大学時代に味わった、どこから手をつければいいのか分からないという感覚にさせられるテキストは、開いただけで気持ちが萎えてしまいました。 そして練習問題ばかりのもの。特に会話を習得したい自分にとっては、ただひたすら例題ばかり解くのは、勉強の仕方としてあまり興味をそそられませんでした。単語の暗記や、文章を組み立てる力を養うには大切なことだとも思うのですが、一生懸命やったわりには、あまり頭に入っていないという印象がとても強いのです。
それになんといっても、問題を解くということは、書かなければいけません。ということは、スペリングを覚えなければいけません。そんなことは、当時の私には拷問のようなものでしたから、当然耐えられるはずもありませんでした。
さらにシナリオ調の長い会話文がズラリと並んでいるもの。単語の段階で挫折した経験を持つ私にとっては、苦痛でしかありません。常に新しい単語のオンパレードで、その分からない単語を辞書で調べているだけで、膨大な時間と手間ばかりかかってしまい、ぐったりと疲れてしまっていました。しかも時間をかけて分からない単語を調べたら、ただの聞いたことのない地名だったりしたら、力が抜けてしまいますよね。それから、さあ勉強しようなどという気持ちには到底なれませんでした。また、いっそのことフランス語の教室に通うのが手っ取り早いかなとも考えて、教室もいろいろ調べてみました。
日本でも、フランス語は第二外国語として人気が高いのもあって、全国に非常にたくさんのフランス語教室があります。CMや広告などでも有名な語学学校でも、たいていフランス語講座を設けていますし、個人経営のスクールも数多くあります。また最近では、パソコンを使ってのオンライン教室などもあるようで、近くに教室がない場合や時間が不規則な人も授業を受けやすい環境は年々整っているようです。 でも、一度はネイティブから学んだ経験のある私は、決して教室に通ったからといって、必ずできるようになるわけではないことを身をもって経験していました。授業料も一回ごとの支払いができるものから、月払い、数ヶ月単位などもありましたが、いずれにしても、教材を使った学習方法よりは遥かに費用が高額です。
それほどの授業料を払ってもまたすぐに挫折してしまうのではないかという不安と、当時の仕事が大変ハードだったので通い続ける自信もなくて、教室通いも断念してしまったのです。教材を使っての独学は、自分のペースで勉強でき、またかかる費用も教材費だけなので低価格ですむという良さがあります。ただし、分からないことが出た場合に自分で解決するしかない点や、その教材によって発音などが勉強しにくい点、自分自身でモチベーションを上げて継続していかなければならない点などは、デメリットと言えるかもしれません。 反対に、教室に通う場合のメリットは、講師から直接習うことができるので、発音や文法、またそれに対する疑問点などをすぐに解決できること、他の人たちと情報交換の場が持てること、みんなで目標を持って学べるので意識の高めあいができること、などではないでしょうか。 対して、教室通いのデメリットは、費用がかさむこと、時間の融通がききにくいこと、教室まで通う手間がかかること、人間関係の煩わしさ、などが挙げられます。ただ今回はいずれの方法も、私の生活と生活スタイルに向いていないような気がしたので、あきらめてしまうこととなったのです。その結果、長い間私にとってフランス語に触れあう機会といえば、たまに会うフランス人の友人とのほんの少しのフランス語での会話くらいのものでした。

松平式フランス語を気に入った理由

今回、「松平式フランス語のおぼえ方」のページを見た私は、一度ならず二度もフランス語の学習で挫折した自分自身が、まずどのくらい興味を持てるのか、またそれがフランス人との会話という実践の場で、どのくらい実際に役立つのかを知りたいと思い、モニターに申し込むことにしました。また、英語や日本語などを通してフランス語を学ぶという新しいスタイルの勉強法がどんなものなのかも、大変興味を持ちました。
英語を話す人は上達しにくいと言われて学んできたことを、違う方法で学ぶことでもっとできるようになって、フランス語が好きになれるかもしれないと思い、ぜひチャレンジしてみたいと思ったのです。「教材」という名前だけで、相当な覚悟を持って挑んだ私でしたが、拍子抜けしてしまうほどあっさりと読めてしまいました。 なぜそんなにあっさりと読めたのかというと、テキストのほとんどの内容が日本語で書かれていたからです。そして、これがまず、私がこの教材を気に入った大きな理由のひとつでした。先に挙げたように、フランス語ばかりで書かれていると、どうしても自分がすべて分かるようになる気がせずに、すぐあきらめてしまっていたのが、日本語だと読む気持ちが起きるばかりか、すんなりと頭に入ってきました。そしてその内容自体も、ほとんどが会話調で書かれているので、とても分かりやすくまるで実際に授業を受けているような感覚で読みすすめることができるのです。
また、発音に関してもそうです。今まで使っていた教材は、アルファベットのみで単語が表記されている、もしくはカタカナでその単語に読み仮名がふってあるだけのものがほとんどでした。しかしこの松平式の教材は、アルファベットにカタカナでの読み仮名、さらに文章でどういう音になるのかを詳しく説明してあります。
たとえば、「Bonjour」という言葉に出てくる「j」の発音について、口の形まで詳しく解説してあったり、「ai」などの二重母音などについての説明も大変分かりやすく説明されていました。また、それもすべてが会話形式で説明されているので、実際にその場で声を出してやってみようという気持ちにもなります。
また、この教材の中にも、例文を作るような練習問題がたびたび出てくるのですが、本を少し読みすすめると、すぐに解説と一緒にその問題の解答が出てきます。たいていのテキストは、解答が別冊でついていたり、本の最後にまとめて解答があったりして、分からない時に見返すにしても、答え合わせなどするにしても、いちいち時間がかかっていました。
しかしこの松平式・教材の場合は、すぐに次のページで解答が出てくるうえに、例題の内容に対しても一文ずつ解説がされているので、非常に分かりやすいのです。分からないことはその場ですぐに解決できるので、どんどん次に進んでいけます。 このへんの時間短縮は、講師に質問をしてすぐに答えが返ってくるような、まるで言葉のキャッチボールのような、語学教室通いの勉強法でのメリットに通じるものがあるのではないかと思いました。これもまた、今までの教材にはなかったことだと思います。 またこの本には、同じ言葉やフレーズが何度も登場します。今まで使ってきた教材は、ひとつのレッスンが終わると、そこで習った単語やフレーズはその後あまり出てこないものも多かったように思います。
しかしこの本では、たとえば「S'il vous plaît」というフレーズがたびたび登場します。ここでもこれが使えます、こんな場合はこう使います、これとこれを組み合わせてみるとこんな時にも使えます、という風にです。 いろんなページで出てくるだけで、それだけ耳について、確実に覚えることができます。同じ言葉の使い方をいろんなシチュエーションで学ぶことは、その言葉をニュアンスで覚えることができるので、身につきやすいと思いました。
ほかにも、「Bonjour」という言葉の持つたくさんの意味の説明が丁寧されていたり、同じ単語を例文で何度も登場させたり、日頃使いそうな文章を例文に選んでいることなども、学びやすさを感じるうえでの重要なポイントだと思いました。
さらに、実際にフランスでの生活を体験した人のコラムなども身近な内容だったので、とても興味深くて、自分もいつかフランスに行ってみたいと思うようになりました。このようなたくさんの理由から、この松平式・教材は今まで持っていたテキストとは違うことに気づき、今まで持っていたフランス語の学習に対しての考えがどんどん変わってきました。

テキストの始まり方がよかった!

今まで持っていたテキストとは違う点がたくさんありましたが、そのなかでも私が一番いいと思った点は、単語を覚えることから始まらないことです。言葉が上達するためには、語彙の多さというのは欠かせない存在だと思います。
使える単語が増えるということは、話すことができる言葉が増える、理解できる言葉も増えるということですから、何はなくとも語彙の多さは一番重要です。もちろん、私自身も英語を勉強した経験から、単語を覚えることの大切さというのは身にしみて感じていました。
もともと英単語を覚えるのはすごく得意で、中学や高校でのスペリングテストはほとんどいつも満点を取っていた私が、どうしてかフランス語の単語に対しては、全然親しみを持てませんでした。
フランス語の単語を覚えるということは、その複雑なスペリングや発音から、英語を覚えた時とはわけが違うような気がしていて、なぜか覚える楽しさを見つけられない自分がいました。
新しいものごとを学ぶのは楽しいはずなのに、一度挫折した経験を持つ私にとってはフランス語の単語の勉強というのは、ものすごく大きな壁だったのです。もちろんこの松平式・フランス語でも、本の始めに、単語の性別やそれにつく冠詞の変化、英語との違いなどについては説明してあります。でもそれは、単語そのものを暗記するような書き方ではなく、あくまで成り立ちを理解するために説明がされているのです。
日本語にはない冠詞(英語でいうthe)などは英語とフランス語で比較した方がずいぶんと分かりやすく、また感覚も掴みやすいですよね。そこでなんとなく単語の仕組みを掴んでから、あとはその後の例文のフレーズの中で、○○はこういう意味の単語です、と注釈がされている場合がほとんどでした。
今までは、名詞の性別から、それに伴う冠詞や動詞の不規則活用などなど覚えることから始まっていたものが、単語だけを覚えるのではなくて、文章全体の一部として意味を捉えるという方法に変わったのです。それが思った以上にスムーズで、その方が逆に単語も覚えやすくかんじました。さらに発音を練習する際にも、単語ひとつひとつではなく、文全体のリズムで覚えられるので、リエゾンの感覚も掴みやすく、分かりやすいと感じました。
先にも言ったとおり、単語の多さは言葉の上達にとても大切ですが、まずは話す楽しさを教えてくれるようなスタイルが、なじみやすくて、特に耳から言葉を覚えるのが好きな私にはぴったりの方法のように思えました。この本では必要最低限の単語数で説明していて、それが分かりやすさのもととなっているようです。もっと話したいと思ったら、それだけ単語も覚えなきゃいけないですよね。まずはそういう気持ちにさせてくれる、そんな教材だと感じました。

英語との比較がよかった!

ふたつめに、この教材で気に入ったところは、英語と比較してフランス語を表現しているところです。大学生の頃に耳にした、英語を話す人はフランス語が上達しにくいという噂から、英語とフランス語を切り離して考えようとしていた私には、まさに目からウロコでした。
当時は発音やスペリングなどを英語と混同しやすいという理由から、そう言われていたように思いますが、それを逆手にとって、両方を比較しながら勉強していくというのです。この松平式・教材は、英文を使ったり、英語と近いフランス語の単語などを使って、比べながら進んでいきます。
確かに考えてみると、私も日本語を話せる外国人と話す時には、日本語と英語を混ぜて話すことが多かったですし、そうすることでさらに分かり合える部分もたくさんありました。英語では分からないけれど日本語なら分かる、またはその逆もありますから、両方をうまく使って、お互いの言葉を理解しようとしていたわけです。私にとっては、得意な英語を通してフランス語を学ぶことができれば、それぞれの知識を共有できるわけですから、こんなに便利なことはないと思いました。そしてそれができるなら、ぜひそのようにやってみたいと思いました。 実際に、フランス語と英語には似たような単語がたくさんありました。発音はそれぞれ少し違うにしても、表記されているのを見れば、なんとなく意味が理解できそうなものばかりです。
著者の松平先生が本の中で、「単語を思い出せない時には英語を混ぜてみるのも手」と書いていますが、その言葉がずいぶんと肩の荷を軽くしてくれたように思います。それくらい、フランス語と近くて、フランス人にも通じる英語を、私はどうして今まで無理やり切り離そうとしていたのでしょう。まさに目からウロコのひと言でした。

自信をもって話すホストマザーを思い出しました

3つめに、この松平式・教材を気に入った理由は、本の一番初めに書いてあった「意外と通じるフランス語」の内容でした。 以前、フランス語なんて単語も難しいし、発音だって全然できないし、勉強を続けていても何のとりえもない気がして挫折してしまった私が、フランス人の友人に何となく話してみたフランス語が意外にもきちんと通じたこと、それと同じような筆者の体験がそこには書かれていました。ネイティブみたいなきれいな発音じゃなくたって、相手に通じること。これが一番大切なことなのだと改めて気づきました。 昔、留学先のカナダで、どうしてもネイティブみたいな発音で英語を話したかった私に、ホームステイ先のインド系のホストマザーが、「ちゃんと通じるのだからそのままでいいじゃない」、と言っていたのを思い出します。そんな彼女も、もちろん独特のアクセントで英語を話す人で、「v」の発音が難しいといつも言っているような人でした。「でも私はこれでいいの、だって通じているじゃない」と言っていたホストマザーもいろいろな国の言葉を話す人で、自分のアクセントを逆に個性として、誇りに思っているようでした。 そのホストマザーが言っていたように、また、松平先生が書かれているように、完璧な発音じゃなくたって、「自信を持って、大きな声で発音することを心がける」ことで相手に通じるし、そうすることで自分の苦手意識もずいぶんとなくなるものなのだなと実感しました。松平先生は、フランス語に対する考え方や経験などを学ぶ側の立場に立って、考えているように私は感じました。だからこそ、学ぶ側が共感できて、私達にとって分かりやすい教材になっているのではないかと思いました。 その松平式・教材を使って、私は最初に一度教材を全部読んだあとで、毎日少しずつ勉強を続けました。時間のある時には、フレーズや単語を何度か書いてみたりしましたが、ほとんどそのまま読むだけの学習方法でした。特にフランス語のフレーズだけは、声に出して何度も読み上げるようにしていました。時間のない時でも、教材を開くことを習慣づけるために、一日一度は必ず開いて、フランス語のフレーズをひとつだけでも読むようにしていました。

さぁて、フランス人の友人と食事に

そのようにして、この教材で勉強し始めてほぼ1ヶ月が経ったころ、あのフランス人の友人とゴハンを食べに行くことになったのです。彼は、私が勉強をしているのを知らずにいたので、ちょっと驚かせようと楽しみでもありました。
今までは、「Bonjoure」や「Au revoir」などの挨拶やちょっとしたひと言、なぜか覚えていた否定文(タバコは吸いません、のような)くらいしかフランス語を知らなかった私が、「You are right」の代わりに、テキストで覚えて練習したての「Tu as raison」を使った時は、本当にびっくりしてもらえました。また、この教材で勉強したおかげで、簡単な疑問文も少しずつ頭の中で組み立てられるようになり、少しずつですがフランス語での会話の幅が増えてきたのです。
今までは、相手からの簡単な質問に答えたり、ひと言で済んでしまうような言葉の羅列だったのが、私から質問ができるようになって、「会話」が成り立つようになりました。しかも、一度使えた文章は身につくので、必ずまた使うことができるのです。
この教材に出てくる例文はとても短いので、おかげで丸暗記できます。これがちょっとした会話ですごく役立ちました。そんな実践を繰り返すことによって、短い文章ですが会うたびに少しずつ使えるフレーズが増えてきました。こんなシチュエーションで、こんな時に使えばいいということを体で覚えることができたので、同じような時に自然に言葉が出てくるようにもなりました。これはすごい進歩です。 その友人も、私が本でちょっと勉強しただけだと知って、とても驚いていました。やっぱり本で勉強するよりも、教室に通った方が実力はつくイメージがあるのでしょうね。
この教材では、être(Be動詞)のほか、avoir(have)、allerとvenir(goとcome)、prendre(take)、faire(do)など、頻繁に使われる動詞を中心に勉強が進んでいきます。実際に、この動詞を覚えただけで、ずいぶんといろいろな表現ができるようになってきました。
正直なところ、最初からその単語の不規則活用などをすべて覚えられたわけではないのですが、何となく話しているうちに、友人に直してもらったりして、徐々に覚えるものだということがわかってきました。思い出してみれば、英語圏への留学先でも、中学校程度の文法力があれば、ほとんどの日常生活は不自由なく暮らすことができていましたから、ひんぱんに使う単語とある程度の文法さえ覚えてしまえば、あとはそのうち身についてくるものなのかもしれません。
発音なんかもそうです。話さないと間違いを直してももらえないですよね。英語とのちゃんぽんでもいいから、間違えても、何を言いたいかが相手に伝わること、伝えようとすることが肝心だと、つくづく感じました。実際に暗記したフランス語の文章を話したつもりでも、男性形、女性形を間違えてしまったりもしますが、きちんと意味は通じます。間違えることはよくないことかもしれませんが、間違いをこわがらないことが、新しいことを学ぶ上では大切だということを忘れていました。こんな風にして、「松平式フランス語のおぼえ方」を使って自分が勉強してきたことが、初めて実になっていると感じることができ、私はもっと頑張りたいという気持ちになりました。
本当に久しぶりに、忘れていた言葉を学ぶ楽しさを思い出しました。でも、何をおいてもやっぱり単語。単語なくしてはこれ以上は進みません。松平式・教材でも、途中から少しずつ単語の勉強が増えてきます。数の数え方、日常でよく使う単語などが出てきます。英語と近い単語、日本語に入ってきているフランス語、などなどいろいろな方向から単語を学びます。ですが、それほどの量じゃないので、少し頑張ればすぐに覚えられそうです。
でもやっぱり単語を覚えるのは、個人のやる気と実力だとも思いました。中学校で初めて英語を学んだ時のように、同じ単語を何度も書いてスペリングを覚える、その熱意と努力がなければ、なかなかフランス語を書けて話せる人にはならないのだと思います。 私にとっても、単語を増やすのはまだまだ先の話になりそうですが、この教材によってフランス語の勉強が楽しくなって、その勉強のコツが分かってきただけで、大進歩です。

最後に

素人の私自身がひとりで読むだけで、ずいぶんとフランス語学習に対する考えが変わるということは、とても分かりやすい教材なのだと思います。また、覚えやすい簡単な言葉が多いので、学んですぐに会話で使うことができるのがすごくいいと思います。
これから本格的にフランス語を勉強しようとしている人、旅行に行く人、ホームステイに行く人などにもとても役立つ教材だと思います。もっと本格的に、フランス語を習得して検定や就職などに生かしたい人には、この本でまずその前の段階までを学習する、といった感じだと思います。「教材」としてだけではなく、「読み物」としても一読の価値があると思います。今回松平式フランス語を学ぶことで、フランス語に対する考え方もそうですが、語学を勉強するうえでの大切なことを気づくことができました。
勉強をするということは、時間がなければなかなか難しいことに感じますが、この松平式・フランス語教材は、忙しい日常の中で簡単に実践できる勉強方法なのではないかと思います。数あるフランス語の教材の中でも、日本語での解説の多さとその分かりやすさは、特筆すべき部分で、それが、読むだけでなんとなくフランス語の雰囲気が掴めるようになる最大の理由ではないかと思いました。
私は、今回このような学び方を経験したことで、もっともっとフランス語を勉強したくなりました。今後、もしもこの教材の中級、上級などが出るようでしたら、ぜひ試してみたいと思います。いつかカナダのホストファミリーとフランス語で会話できるようになることと、フランス人の友人と一緒にフランス国内を旅することを目標に、これからもフランス語学習を頑張る決心をしました。

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