友人にフランス語が通じたときの喜び

東京都 会社員 吉田裕子さん(38歳)
興味を持ったきっかけ

私がフランスに興味を持ったのは、映画がきっかけです。もともと子供の頃から映画全般が大好きで、ほとんどオタクの域に達していました。派手なハリウッド映画も大好きでしたが、私が特に心引かれたのが、男女の心の機微を描いたフランス映画だったのです。私にとって、それはまるで人生の教科書のようでした。
フランスの10代の女の子が主人公の青春映画「ラ・ブーム」に夢中になったのを皮切りに、若い男女の狂おしい愛の物語「ベティ・ブルー」、孤独で暴力的な女スパイの苦悩を描いた「ニキータ」、フランス王室の血塗られた歴史の中で翻弄された女性の物語「王妃マルゴ」などなど…。フランス映画で繰り広げられる情熱的かつ大胆に愛に生きる人々の物語にすっかり魅了されたのです。そんなわけで、大学に進学したら第二外国語は絶対フランス語!と心に決めて、実際に授業を取ってみたのですが…それから15年以上経った今でも、フランス語は一向に上達しません。

その理由について考えてみました。
ひとつは、学生時代にフランス語よりも英語の勉強を優先させたため、フランス語の勉強が手薄になってしまったからです。学生時代にフランス語の学習意欲を高めるため、日本に留学してバレリーというフランス人学生と友達になりました。友達になりたての頃は、彼女はほとんど日本語が話せず、当然私もフランス語が話せず、英語でコミュニケーションをとっていたものです。バレリーは非常に熱心に日本語を勉強し、徐々に私とも日本語で話すことが多くなっていきました。 ある日、私は自分がいかにフランスに興味を持っていて、フランス語を勉強したいと思っているか、バレリーに力説したところ、彼女に「でもね、英語をマスターする方が先だと思うよ」あっさりと言われてしまったのです。  ちなみに彼女は子供時代からイギリスに毎年夏期留学に行っていて、英語はペラペラでした。フランス人にそう言われては何も言えず、結局フランス語よりも英語の勉強を優先させてしまいました。その結果、私の英語は留学をしなかったにも関わらず上達し、日常会話でしたら困らない程度のレベルになりましたが、フランス語はさっぱり、という状況です。
もうひとつの原因は、自分のレベルに合った教材を見つけられなかったからです。社会人になってから独学でフランス語を学ぼうとしたのですが、初学者用の教材が圧倒的に多く、私のように学生時代にフランス語をかじった人に合った教材は少ないように思えました。
少なくとも、一度挫折している私のような者にとって、「これなら途中で投げ出さずに続けて勉強できる」、と思わせるような魅力的な教材は見当たりませんでした。学生時代に無理やり覚えた文法はかろうじて残像のようにうっすらと頭の中に残っています。なんとか「etre」とか「avoir」の活用ぐらいなら思い出せる。でも、「複合過去」とか「半過去」、「ジェロンディフ」に至っては完全にお手上げ状態。
なまじ学生時代にかじっただけに、覚えられなかったり理解できなかったりしたものに対する苦手意識が先行し、初学者向けの教材では「またどうせ同じように理解できないし、覚えられないのではないか」としり込みしてしまったのです。文法用語が英語と違うことも苦手意識に拍車をかけました。
まず、フランス語の文法を学ぶ前に、日本語の文法用語を理解する必要があり、フランス語というよりもむしろ日本語の解説文でとまどうことがしばしばありました。なぜ、「現在完了形」と「複合過去」のように、英語とフランス語で同じ(ような)文法なのに違う文法用語を使うのか、学生時代からの疑問でした。 学ぶ方の立場からすると、若い頃からなじみのある英語と同じ文法用語にしてもらえれば、かなり手間が省けるのに、と恨みがましく思ったものです。また、フランス語の教材はおしなべて内容が似通っていて、興味をそそられるような例文が載っている教材が見当たりませんでした。

私の場合、バレリーは数年前にパリに帰ってしまい、なかなか会えなくなってしまったのですが、最近ダビドという新しいフランス人の友人ができ、この機会にフランス語を勉強したいと思ったのがきっかけでした。つまり、フランス旅行に行くため、とか芸術を語りたい、というよりは、ごく普通の友人としてフランス人とコミュニケーションしたいと思って勉強を始めたのです。しかし、どの教材も日本人が想像するフランスらしさを求めるあまりワンパターンに陥っており、現実味や面白みがないのです。
絵画や映画などの芸術について、もしくはワインやカフェ、レストランなど食べ物の話題、さもなくばエッフェル塔や凱旋門などのパリの名所めぐり。もちろん、現地に旅行に行けばそういう会話もあるでしょうが、私が求めているようなフランス人とごく日常的な会話をするための助けとなる教材がなく、困っていました。このような不満を持っていた私にとって、「松平式フランス語のおぼえ方」は以下の点で非常に役に立ちました。

細かいけれども、必ず抑えておくべきポイントの解説が分かりやすかった

文法に限らず、数字の数え方など、学生時代に覚え切れなかったことが沢山ありましたが、この教材を読んでかなり理解が深まったともいます。たとえば、

<例1>
語尾の子音の発音…8を意味する「huit」の最後のtを発音するのかどうか、15年来ずーっと疑問に思っていました。ネイティブの発音を聞くと、tを発音しているかどうか、本当に微妙なのです。 それについてこの教材で説明されていたので、「そういうことだったのか!」と思わず膝をたたいてしまいました。おそらくネイティブのフランス人はこれをほとんど無意識に行っており、改めて「発音するのか・しないのか」と聞かれてもわかりやすく答えるのは難しいのではないのでしょうか。これを知っているのと知らないのとでは、発音に大きな差が出るなあ、とつくづく思いました。

<例2>
職業・身分を表現するときの冠詞が付く、付かないのルール。これも長年の疑問が解消されてスッキリしました。 このようなルールは本当に細かいですが、実際に自分が話す段になると「どっちが正しかっただろうか?」と不安になってしまい、ついついフランス語が億劫になってしまう原因になりがちです。少なくとも私にとってはそうでした。 しかし、一度ルールとして確認してしまえば、「なんだ簡単じゃないか」と安心できます。たとえ間違ったとしても、正しいルールを後で再確認すればいいので、気持ちがとても楽になります。

<例3>
Avoirの後ろに来るものに関するルール。実は、このときのdeの意味がずーっと不明で、謎だったのです。もちろん、教材などで説明を読むには読むのですが、教材が悪いのか私の頭が悪いのかなかなか理解できず、結局面倒くさくなって放置、という状態が何年も続いていたのです。それがこの教材の説明でよく理解でき、おまけに長年のモヤモヤが晴れて気分がスッキリしました。

<例4>
「aller」と「venir」の違いというのも、重要だとわかってはいるのですが、つい面倒くさくなって「英語と似ているし、まあなんとかなるだろう」と放置していた疑問のひとつでした。それが、教材の説明で「なるほど」と納得できたのが嬉しかったです。疑問を放置していると心の片隅でずーっと気になって落ち着かないもので、やはりひとつずつ解消していったほうが精神的にずっと楽になる、と思いました。「松平式フランス語のおぼえ方」はそういった「かゆいところに手が届く」解説が上手だと思いました。

<例5>
部分冠詞の「du」や「de」も、私にとって長年の手ごわい敵でした。これまでフランス語の中に「du」や「de」を目にしても、見なかったふりをしていたのですが、英語の例を挙げた説明のおかげで、これまで謎だった「du」や「de」が文章の中でどのような役割を果たしているのかがようやく理解でき、今では敵ではなくなりました。今までの理解しようと努力した苦労は何だったんだ、と思うほど分かりやすかったです。

<例6>
フランス語に苦手意識を持つようになった理由のひとつが、文法用語が分かりにくいことでした。「松平式フランス語」で、英語の文法用語で説明されていたので、これまで「複合過去」という言葉に対して抱いていたネガティブな印象が一気に薄まりました。このように、ちょっと難しめの文法もすでに知っている言葉に置き換えてもらうだけで、随分ととっつきやすくなります。

<例7>
「半過去」という文法用語も、もちろん過去に勉強してはいるのですが、当時受けた説明がわかりにくかったのか、すっかり内容を忘れてしまっていました。分からなければ調べればいいのでしょうか、「一度覚えたはずなのに忘れているのだから、よっぽど難しいのでは」と、これも放置していた文法のひとつでした。しかし、英語に例えて説明されていたおかげで、「なーんだ」と拍子抜けするくらいあっさり理解してしまいました。

<例8>
「代名動詞」の説明も理解しやすかったです。特に第3人称のseを使うときの説明は、なるほどと思った点です。今までは単純に「そいういうもの」として丸暗記していたのですが、やはり、語学学習の上で、特に文法においては「なぜそうなるのか」という理由をきちんと理解することは非常に重要だと思います。単純に「こういう場合にはこう」というように現象だけを記憶するだけでは、応用がききません。少し気をつけて文法をより深く理解すれば、後でいくらでも応用がきくので結果的には効率的だといえます。

<例9>
「中性名詞」というのも、以前は「中性なんだから、男でも女でもないんだろうな」という、あまり頭が良いとはいえない理解程度でしたが、この教材の説明のおかげで、またひとつ謎が解けました。

簡単な文法で代用できる方法が紹介されていて、とても実用的

実際の会話では、文法的に正しく話すよりも、話したいことが通じるかどうかの方が重要だと思うので、代用を覚えることで表現力が高められます。たとえば、

<例1>
「近くて確実な未来の代用」という知識を知っているのと知らないのとでは、表現の幅がかなり違ってくると思います。しかも簡単なのが嬉しいです。

<例2>
近い過去をあらわす表現の代用。おそらく、何度かそういう文章なり会話なりを今まで聞いてきたはずだと思うのですが、この表現の存在を知らなかったために耳を素通りしていたのではないかと思われます。今思うと本当にもったいない気がします。

<例3>
過去形の代用表現。これもきっと何度も耳にしていたと思います。しかしこうやって解説してもらって初めて意味を知りましたし、例2と違う、ということも知ることができました。細かいことですが、こうやってまとめて解説してもらわない限り、この2つの細かい違いはなかなか覚えられないだろうと思います。

<例4>
未来の代用。「近接未来」、つまり「動作がこれからまさに行われようとすること」をあらわす表現である、という解説も上記と同様です。おそらく何度も目にしたり耳にしたりしているはずなのですが、何となく流していたと思われます。とても簡単ですし、便利な表現なので、これを知っていると表現の幅が広がると思います。

<例5>
英語の「would like to」に相当する丁寧な表現についても、フランス人と会話する上でかなり役に立つのではないでしょうか。何しろ相手はフランス人ですから、自分は何をしたいのか、はっきり主張しなければ馬鹿にされかねません。しかし、子供のように単に「~したい」というのもちょっと…というとき、自分のやりたいことを失礼のない形で主張できるこの表現はとても便利です。英語のwould like toに相当する、という解説だけで、「ああ、あのニュアンスね」と理解できました。

<例6>
助動詞だけ活用させて、後ろの動詞をすべて原形で済ませれば、すべての動詞が使える、というテクニックは、なるほど、そういう手があったか!と唸ってしまいました。最小限の知識でできるだけ多様な表現をする工夫として、とても役に立つと思いました。

よく使う単語がまとめて表記されているのが便利です

たとえば、p.137の「よく使う代名動詞」は日常生活で使用頻度が高い単語ばかりなので、とりあえずこれだけ覚えてみよう、とチャレンジするのに丁度良い量ではないでしょうか。

ユニークに感じたところ

「松平式フランス語のおぼえ方」を読んでユニークに感じたところを違う観点から書いてみたいと思います。

<1>フランス語に対する興味を増すための工夫が多い。
フランス語の歴史を紹介しています。学生時代にフランスの歴史を一通り勉強し、しかも大学時代にフランス語の授業をとっていたにも関わらず、この教材を読んでフランス語の歴史を知りました。
特に、他言語との類似性が説明されている部分は興味深く、フランス語の学習前に「一体どこから手をつけたらいいのか」と途方に暮れているような読者にとっては、まず最初にフランス語と英語の類似性を認識することで、フランス語に対するハードルがぐっと低くなると思います。また同時に、フランス語成立の背景には、長年ヨーロッパで繰り広げられた様々な民族や国家の興亡の歴史がある、ということが感じられ、俄然フランス語に対する興味も高まるのではないでしょうか?

<2>フランス語の効率的な学習方法を提示
[例1]フランス語発音のポイントについて
「フランス語ははっきり発音すれば必ず通じるもの」と松平先生が何度も教材の中で強調していたのが印象的でした。私もどちらかというとフランス語の発音が苦手です。先生がおっしゃるとおり、フランス語を聞き取ろうとしてもどうしても「モゴモゴしていて曖昧な発音」「聞きなれない曖昧な音」という印象を拭えません。
しかし、先生にフランス語は「英語よりもカタカナ標記読みが通じるほど明瞭な音を持つ言葉」であり、聞き取りづらいのは「一部日本人が使う音にはない音があるため」で、「発音の仕方さえ分かれば、はっきり発音するだけでいい」だと断言されています。これは「フランス語が聞き取れない!」と悩んでいる私のような学習者にとっては福音です。
もちろん、フランス語の発音をマスターするためには自力で努力する必要がありますが、フランス語を聞き取れない原因は音に慣れていないだけ、ということを知るだけでも随分気分が楽になります。なかなか上達せずうんざりしていましたが、「もうちょっと頑張ってみようかな」、とやる気が出てきました。

[例2]語彙の増やし方について
第三章の「語彙を増やそう」で、日本語や英語にからめてフランス語の語彙を増やす方法を紹介されているのがユニークだと思いました。今までありそうであまり見かけないアプローチだと思います。確かに、すでに日本語として知っているフランス語を覚えるのは比較的簡単なので、学習者にとって勉強の成果を感じられる楽しい章になると思います。特に、日本語になっているフランス語については「fondu」や「chef」、「oeuvre」など、正しい意味は分からないけれどもなんとなく意味が分かる程度に知っている言葉、というのが確かに多いかもしれません。
ずっと気にはなっているけども、わざわざ辞書を引いて意味を調べる気は起こらず、長年放置されているこれらの言葉は誰にでもあると思います。そういった言葉の意味は、大抵自分が思い込んでいた意味とは違うもので、この教材で正しい意味を教えてもらうことによって、長年の謎が解ける気持ちよさと同時に「やっぱりちゃんと勉強しなきゃ」と気が引き締まる効果があるのではいでしょうか。

[例3]間違いやすいポイントについて
教材のところどころに「この部分は間違いやすいので、テストに出ますよ」と松平先生のコメントが載っているところが、将来仏語検定を受けようと思っている人には便利だと思います。先生の語り口もちょっと茶目っ気があって、大学の授業のような親密さを感じました。もちろん、テストを受ける予定がない人にとっても、どこが間違いやすく重点的に勉強すべき点なのかを知る目安になり、効率的な勉強に役立ちます。

[例4]単語を覚えるポイント
単語集を覚えるときに「名詞」と「動詞」を先に覚えて、次に「形容詞」、さらに「副詞」という形で増やしていくのが良い、という松平先生の指摘は目からウロコでした。これまでただやみくもに片っ端から単語を覚えていましたが、なるほど、こういう順番で覚えるほうが会話を豊かにするには効率的です。

[例5]鼻母音のポイント
p141で日本語にも鼻母音があることが紹介してあるのが面白かったです。鼻母音というと、フランス語の発音を象徴する母音で、全く日本人には縁がないように見えます。しかし、実は日常的に日本語で鼻母音を発音していることを知れば、自分だって必ず発音できるはずだ、不可能ではない!と鼻母音に対する苦手意識をなくすことができます。

特長をまとめると

一貫して「フランス語で会話を楽しむための効率的な学習方法」を紹介している点が、学習者にとって非常に役に立つと思いました。もし、単語を調べるだけだったら辞書があります。
細かい文法の約束事を調べるのであれば、文法書を調べればよいでしょう。しかし、フランス語会話を上達させたい、と思っている私のような学習者は、「どうしたらフランス語で会話できるようになるか」という実践的な情報を求めています。
これまでフランス語会話教材というと「会話の例文を紹介しながら、その中で重要な文法や単語を紹介していく」というコンセプトが多く、最初から全てを理解しなければ先に進めない、という構成が多かった気がします。
しかし、「松平式フランス語のおぼえ方」の場合は、メインは「こうしたら難しい文法を簡単に言い換えられる」とか「この文法は英語の場合と似ている」とか、会話をする上で役に立つ知識の提供であり、例文はあくまでも「こんな風に使えますよ」という例にしか過ぎません。知識さえ頭に入れれば、様々なシチュエーションに合わせて応用がきくので、学習者の表現力の幅が広がります。一度読んですぐ終わり、という教材ではなく、ずっと手元に置いておき、分からないことがあればすぐに参照できるような教材という気がします。

オーベルニュ地方のお城で。
友人の結婚式翌日のパーティーで、少し酔ってます。

フランス人の友人との会話で実践!

身近にフランス人の友人がいるにもかかわらず、私自身のフランス語能力が低すぎるため、普段は日本語や英語で会話を済ませていました。フランス語を勉強したいという夢を持っているくせに努力が苦手な私は、非常に恵まれた環境にいるのに、みすみすそのチャンスをふいにしていたのです。よく考えれば非常にもったいない話です。
込み入った話になるとフランス語ではまったく追いつきませんが、今回せっかく簡単で便利な表現を「松平式フランス語のおぼえ方」で学ぶ機会があったので、一念発起して少しずつ実践していくことにしました。
ある日、ダビドというフランス人の友人と、お互いに仕事が終わった後に家で夕食を食べることになりました。これは「松平式フランス語のおぼえ方」で学んだ表現を実践するまたとないチャンスです。私は会話で使えそうな表現を大急ぎで復習して、当日に備えました。
まずは「こんばんはBon soir.」とフランス語であいさつ。普段私は全くフランス語を話さないため、ぎこちない発音だったにもかかわらず、ダビドは喜んで「Bon soir!」と応じてくれました。気を良くした私は、「疲れた?Et tu fatigue?」や「お腹がすいたよ。J’ai faim.」、「お水要りますか?Tu veux de l’eau?」、「あなたは優しいですねVous etes gentil.」「あなたの言っていることはもっともですねTu a raison.」など、覚えた表現を片っ端からチャンスを見つけては会話の中で使ってみました。
私のつたないフランス語にもかかわらず、ダビドはフランス語で会話するのが嬉しいらしく、時には私の文法や発音の間違いを正しつつ、フランス語で応対してくれました。
やはり、たとえ大した内容ではなくても、フランス人にフランス語が通じたときの喜びは、教材を前に一人で練習している時には決して味わえないものです。実際の会話の中で、覚えたての表現を必死に思い出しながら練習するのは、いくら簡単な表現であっても楽ではありません。しかし、自分の頭で考え、間違いを恐れずに実際の会話で実践し、恥をかきながらも何度も何度も繰り返す以外は語学をマスターする道はないのだろう、と思いました。
ひとつフランス人との会話の中で気づいたのは、「松平式フランス語のおぼえ方」で紹介されている簡単な表現は、フランス人自身もよく使う表現だということです。たとえ自分ではスラスラとフランス語で表現ができなくても、事前にこの教材を読んでおけば、実際のフランス語の会話の中で知っている表現が出てくると「なるほど、こういう風に使うんだな」と使用法が再確認できます。 そんなことを繰り返していくうちに、最初は覚えられなかった表現にも慣れていき、徐々に自分でも使えるようになっていくのだと思います。
実際にフランス人とフランス語で話してみると、日本語ならいくらでも政治や芸術の話ができるのに、フランス語だとまるで3歳児並みの言葉しか話せなくて悔しい思いをする、ということがよくあります。 若い頃ならいざ知らず、年を取ればとるほど変なプライドが邪魔して、「3歳児並みのフランス語しか話せない情けない自分」をなかなか受け入れられなくなります。
「恥をかいたり悔しい思いをするのが嫌」といって、フランス人の友人がいるのにずっと日本語と英語で会話を済ませていた私は、まさに典型的な例でしょう。しかし、考えて見れば今はフランス語がペラペラに喋れる人でも、最初は初心者だったはずなのです。私の場合、学生時代から15年も経ってしまい、「もっと勉強していれば今頃は…」と後悔してばかりいました。 しかし、過去を振り返っても変えることはできません。今、実践をしない限り、いつまでたっても3歳児のままなのです。 ちょっとだけフランス語を会話の中で実践するだけでも、実際にフランス人とやりとりする情報量は相当なもので、実践前と比べたら飛躍的に理解が深まったと実感しました。ダビドとの食事をするまでは、私もまさに3歳児レベルでしたが、食事が終わる頃にはおそらく4歳児ぐらいに上達したのではないか、と自負しています。
少しずつではありますが、間違いを恐れず繰り返し実践し続ければ、必ず上達するのですから、一日も早く「フランス語でフランス人と会話を楽しみたい」という夢を実現したいのであれば、一日も早く恥を捨ててフランス人に果敢に話しかけるべきだ、と思いました。
「松平式フランス語のおぼえ方」には会話に使えそうな表現がたくさん紹介されているので、まずそれらの表現を少しずつ覚えていこうと思います。そして、フランス人と会話する機会に恵まれたら、恥を恐れずどんどん実践するつもりです。たとえつたないフランス語でもフランス人に通じれば自信につながり、もっと勉強しようという意欲がさらに湧きます。
また、フランス人との会話が増えれば、フランス人の生の表現を知るチャンスが増え、さらにフランス語の表現の幅が広がります。まだまだ先は長いですが、「教材で表現を覚える→実践→フランス人の生の表現を学ぶ」という学習サイクルをうまく回して、少しずつ夢に向かって努力していきたいと思います。

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